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ホテルみやじま「杜仲御膳(ごぜん)」

ホテルみやじま「杜仲御膳(ごぜん)」
飲食店

瀬戸内海にぽっかり浮かぶ広島・因島。村上水軍発祥の地で、海運・造船業を中心に発展してきたが、今では暖かい気候を生かした杜仲(とちゅう)茶栽培の島として変ぼうしようとしている。「おなか周りが気になる方の健康茶」を使ったご当地グルメも続々誕生。飲んで食べて遊んで、おなかスッキリ。「脱メタボの島」だ。

【全世代で親しみ】
ウミネコの鳴き声、島々を行き交うフェリーの汽笛。時間がゆっくりと流れる因島。瀬戸内特有の穏やかな空間が広がる島内には、山の傾斜地や国道沿い、田んぼの隣などあちこちに深緑の葉を抱いた低木が見られる。杜仲茶の木。国内有数の産地であるこの島では、お茶といえば緑茶ではなく、この茶色のもの。酒場で出されるウーロンハイも実は杜仲茶で割ったりする。子供もお年寄りも大好き。全世代で親しまれる島の飲み物だ。

脂質の吸収を抑え、内臓脂肪を減らすなどメタボに効くこの茶をもっと楽しむことができないか…。そんな中、生まれたのが杜仲茶料理だった。フェリー発着場付近の飲食店ではオリジナルのメニューを開発。ホテルみやじま「杜仲御膳(ごぜん)」の豚しゃぶは、杜仲茶のスープに肉をくぐらせることで余計な脂が落ち、あっさりとした味わい。豚肉が口の中でとろけてしまうのが、膳屋の豚ロースの煮込み。中華料理店・桃花園の杜仲八宝粥(がゆ)は、茶のうまみが残って、何杯でも食べられそうだ。

【体に良くて美味】
ご当地グルメの数々。完成までは、どの料理人も試行錯誤の連続だった。「独特のえぐみと香りのバランスが難しくて…」と代表して教えてくれたのが、膳屋の木戸雅司シェフ。それでも根気強く追求し続けたのは「体にいいものをおいしく食べてほしい。それだけでした」。柔和な笑顔。話を聞いているだけで心も健康になっていく感じだ。

因島の杜仲茶の歴史は古くはない。日立造船が造船不況の打開策として栽培に着手したのが87年。少しずつ規模を広げ、現在、栽培本数は4400本で出荷量は約6トン。2年後には7トンに増やす予定だ。土壌の手入れは丁寧に、農薬は一切使わない。まめにせん定を行い優良な葉だけを作りだす。因島杜仲茶の特長でもある葉色の濃さや厚みは、こだわりのせん定作業のたまものなのだ。

ミカンから杜仲茶栽培へ移行した農家がほとんどだという。先祖代々伝わるミカンを切ることに未練があっただろうし、真夏に行う葉の収穫はつらく厳しい作業だ。それでも生産組合の石田勝好事務局長は「手作業は大変だけれど島のためだと思えば何てことはない」と笑う。島を守るためにも杜仲茶の木を絶やしてはいけない。根底にあるのは「因島愛」なのだ。

そういえば、お茶そのものを飲んでいなかった。濃い茶色。苦みを覚悟するが、口にするとほんのり優しい甘さ。「手をかけてあげれば、そういう味になるんだね」と農家の皆さん。日焼けの残る武骨な顔から優しい表情があふれた。

【サイクリングも】
○…食だけじゃない。体を動かしてメタボを解消できるのが、来年に開通10周年を迎えるしまなみ海道でのサイクリングだ。島々を結ぶ約70キロの海の道をレンタサイクルで疾走する。坂道では体力が必要となり、ちょっとしたエクササイズ。顔に当たる心地よい風。運動不足の体にカツが入って気分もそう快だ。

▽行かれる方へ 因島へは広島空港からバスを乗り継いで約1時間15分。新幹線なら新尾道駅からバスで。しまなみ海道沿線にはレンタサイクルターミナルが13カ所。1日500円で自転車が借りられ、すべてのターミナル間で乗り捨てが可能(電動アシスト自転車は不可)。島を結ぶ橋の通行料は10〜200円。問い合わせは「尾道市観光課」

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